太い柱や梁を使って頑丈に!「ラーメン構造」とは?
ラーメン構造とは、ドイツ語で「額縁」、「枠」を意味する言葉ですが、建築分野では、柱と梁で骨格を作って建物を支えている構造のことを指します。
20世紀に入ってから建てられた建築物件において、最も一般的な構造形式で、主に中高層マンションに採用されています。
床に柱を垂直に立て、その柱に対して垂直方向に梁を掛けて組み立てられるシンプルな構造ですが、柱と梁の接点をしっかりと接合することで建物の変形を防ぎ、強度を上げることができるのです!
これらの柱や梁は、マンションの場合、鉄筋コンクリート(RC造)や鉄骨造で作られており、太さは非常に太くなっています。
<使っている建材やラーメン構造の特徴から生まれるメリット!>
ラーメン構造のメリットは、壁を作らないことで大きな開口をとることができるため、各部屋の間取りを自由に設計できることです。
つまり、1つの建物内に、大きな間取りや小さな間取りなど、さまざまな種類の部屋を造ることができるということですね!
また、築年数が経ってリフォームをする際でも、室内に自由に壁をつくることができ、融通が利くというところもメリットです。
さらには、横揺れの地震や強風にも耐えられるため、高さを高くしても、十分に支えられるのです!
地震大国の日本にはピッタリの構造ですね!
<部屋の中にはデメリットが出ることも…>
ラーメン構造のデメリットは、強度を高めるように非常に太い柱や梁を使用するため、住人の室内に柱が出て、でこぼこが生じてしまうことです。
そのため、家具の配置などを考えないと、置けなくなってしまう場合があるのです。
住人と経営者の両方にメリットがある!「壁式構造」とは?
壁式構造とは、柱や梁を使うことなく、床板と壁板だけを組み合わせて建物を支える構造のことを言います。
主に、5階建て以下の低層マンションで採用されています。
この床板と壁板には、「耐力壁」を採用していることが多く、地震の揺れや風などの横から受ける力に対して耐えることができます。
<使っている建材や壁式構造の特徴から生まれるメリット!>
壁式構造のメリットは、板を組み合わせるため、室内に柱によるでこぼこが出ることなく、間取りがスッキリするところです。
そのため、家具などの配置が自由にできるんですよ!
また、耐力壁を採用していることから、耐震性に優れている、壁の厚さが厚いことから、防音性にも優れているというところもメリットですね。
集合住宅には大切な性能ですね!
マンション経営を目的としている人には、建築する際にコストが低いことも魅力的です。
それで住人が入居すれば、早く元をとることができますよ!
<採用する場所が限られている…>
壁式構造は、壁で仕切るため、大きな開口をとることができず、窓やバルコニーの部分には採用できないことがデメリットでもあります。
また、厚みのある耐力壁を使用するため、部屋の中の空間が狭くなるというところもデメリットですね。
両方の短所を長所でカバー!「壁式ラーメン構造」とは?
壁式ラーメン構造とは、ラーメン構造と壁式構造の短所をお互いの長所で補った構造形式です。
主に、平らの柱を使って構成しています。
例えば、マンションの場合、住戸と住戸の境目になる壁には耐力壁を使用できますが、1つの住戸の中にある窓やバルコニーの壁には耐力壁が使用できません。
その部分にはラーメン構造を採用するのです。
つまり、1つの建物の中に、ラーメン構造と壁式構造の両方が採用されているということになりますね!