不注意で起こる恐ろしい火事を最小限に抑える耐火・防火・準耐火構造!
火が完全に消えるまで倒壊を防ぐ!「耐火構造」とは?
さまざまな商業施設や住宅が集まっている地域では不特定多数の人が集まり、火を使用することも多くなるため、必然的に火災が起こる可能性も高くなります。
そのため、火に強い耐火構造の建物を建てる必要がありますね。
これらの地域は、「防火地域」という地域に指定されており、「最も厳しい基準の耐火構造の建築物を建てるようにすること」と定められています。
「防火地域」よりも建物の数が少なくなる地域は、「純防火地域」という地域に定められているんですよ。
<耐火構造とは?>
耐火構造とは、建物内部で火災が発生した場合に、建物が崩れないような構造になっている、または周囲の建物へ燃え移ることを防ぐ構造のことを言います。
火災の規模にもよりますが、火災が起こった際は、完全に火が消されるまで約30分~3時間程かかると言われています。
そのため、建物には、30分~3時間の間、火に耐えられる強さが必要だと法律で定められているのです。
<耐火構造に使用される建材>
耐火構造に使用される建材は、鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄材によって補強されたコンクリートブロック造またはレンガ造や石造、鉄筋コンクリートもしくは鉄鋼モルタルでふいたものなどです。
当然ですが、火に強い建材が採用されているんですね。
<どこに耐火構造を採用するの?>
建物の耐火構造が採用される箇所は、外部では外壁、屋根などで、内部では、内壁、柱、梁、床、階段などに採用されています。
耐火構造の建物を建てる際は、固い地盤の上に建てなければなりませんし、弱い地盤の上に建てるのであれば補強が必要になるため、どちらにしてもコストがかかります。
そのため、超高層ビルや商業施設、高層マンションなどで採用されることがほとんどで、一戸建て住宅に採用されることはほとんどないんですよ!
他の建物へ火が燃え移るのを防ぐ!「防火構造」とは?
防火構造とは、火災が起こった際に他の建物に火が燃え移らないようにしている構造のことを言います。
火事が起きたときに建物が完全燃え尽きる時間が30分以上保つようにと定められています。
<どこに防火構造を採用するの?>
防火構造は、耐火構造や準耐火構造とは異なり、外壁と軒裏のみの、建物の外側で使用される構造ということが特徴的です。
木造建築の場合、外壁を鉄鋼モルタル塗りにすることで防火構造にすることが多いですね。
防火構造は外壁と軒裏のみに採用すれば良いため、耐火構造よりもコストを抑えることができます。
そのため、一戸建て住宅や低層アパートなどは防火構造を採用していることがほとんどなんですよ。
しかし、あくまでも、他の建物に燃え移らないようにしているだけの構造のため、内側で火災が起こったときには、短時間で火が回ってしまうでしょう。
そのため、内側を防火構造にしていない場合は、速やかに非難する必要がありますよ!
木材そのもので火に耐える!「準耐火構造」とは?
準耐火構造とは、耐火構造よりも基準が少し低く定められている構造のことを言います。
火事が起きたときに、建物が完全燃え尽きる時間が30~45分以上になるようにと、耐火構造よりも短めに設定されています。
準耐火構造になっている木造建築物では、柱や梁が「燃えしろ設計」というものを採用しています。
「燃えしろ設計」とは、石膏ボードなどの防火になる素材で加工せず、木材自体を大きめのものを使用し、表面が燃えたとしても、構造耐力上支障が出ないようにしていることを言います。
これを採用することで、木材そのもので準耐火構造にすることができるようになっているのです!